福井県の現地情報

最初の重要無形民族文化財

福井県今立郡池田町には、『水海の田楽・能舞』(みずうみのでんがくのうまい)というものがあります。

これは田楽能舞の一種で、重要な『祝詞』、『翁』、『高砂』の能舞を舞うそれぞれが、定められた火器、什器(じゅうき。日常生活で使用する食器などの事)を使い、人手を借りない『別火』という生活に入り、その後、水海川で身を清め舞われます。

舞われる演目は、『からすとび』、『祝詞』、『あまんじゃごこ』、『あま』の田楽に、『式三番』、『高砂』、『田村』、『呉服』、『羅生門』などの能舞が演じられます。
 
この水海の田楽・能舞は、福井県に伝わる伝統的な演舞であり、1975年の文化財保護法の改正によって制定された重要無形民族文化財の第一号です。

由来としては、鎌倉時代に北条時頼が諸国行脚をしている最中に池田を訪れたのですが、季節は冬であり、時頼は雪が積もる池田に滞在して、一冬越す事になってしまいました。

そんな時に、池田の村人達は宴を開き、田楽を舞い、都が恋しくなっている時頼を慰めたそうです。

それに気をよくした時頼が、お礼にと、能を舞い、それを覚えた村人達が村の田楽と能を合わせ、新しくも珍しい、田楽能舞が池田に受け継がれる事になりました。

それがこの『水海の田楽・能舞』となった訳だそうです。

国から指定された重要無形民族文化財だけあって、昔の形をそのままに、何と約七百五十年もの間殆ど変わらない形で継承されています。

下準備の中々に時間がかかる様で、役割を決め、本稽古という稽古をし、先述の『別火』を行います。

そして『場均し』という一本通しのリハーサルをするのです。

ちなみこの場均しは一回限りで、再度は行われません。

リハーサルであるのと同時に仕上げでもあります。

当日の朝は『朝戸開き』と言って、祭事に使うお面などを神前に並べます。

最後に禊をし、田楽能舞が奉納され、『面納め』という全ての道具をしまう事よって終了となります。

福井県の伝統芸能、水海の田楽・能舞――――農民の文化と武士の文化が見事に混ざり合った素晴らしいものです。

毎年二月の十五日辺りに行われるそうなので、もし気になるのでしたら行ってみると宜しいかと思います。

有料のシャトルバスも出ているそうですよ。

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