福島県の現地情報

二つの指定文化財

福島県福島県の松川駅から、北に2㎞進んだ場所に小さな森があります。

そこが黒沼神社の入り口です。

両脇を木々に囲まれた参道を進み、奥へと抜けると赤い屋根の建物が見えてきます。

黒沼神社の社殿です。

社殿の前には二対の狛犬でしょうか。

狛犬が居るのです。

薄暗いというか、涼しげな森の中にある社殿などは、どこか浮世離れした雰囲気を空気に添えています。

創建された年代は不明であり、黒鬼の伝説などが残っている事でも知られています。

祀っている神は複数居るようですが、その中でも『阿武隅大蛇』という神は珍しく、足を司る神様なのだそうです。

さて、この黒川神社ですが、福島県と国の二つから文化財の指定を受けている行事が、同じく二つ存在します。

一つは、昭和五十五年に福島県から県の重要無形民俗文化財として指定を受けた、『黒沼神社十二神楽』というものです。

これは黒沼神社に伝わる、出雲流の流れを汲んだ舞であり、高く評価されています。

舞われるようになったきっかけは、神楽を祭礼時に奉納する際に、この辺りの地域の村人を江戸へと遣り、神楽を習得させ、後に神楽の師匠を招き、更に修練させたのが始まりとされています。

それからは盛衰はあったのですが、現在でもきちんと継承されており、四月の三日、四日の黒沼神社の祭礼の際に奉納されています。

もう一つは、『金沢 羽山ごもり』と言われる行事で、精神的修練を三日間の間積みます。

以前は七日間だったそうです。

主に何をするかというと、金沢の男子が旧暦の十一月十六日から別火(炊事等の火を使う行動を他人とは別にする事)をし、『こもり小屋』という場所に籠ります。

そして水垢離(水によって穢れを払う)を行い、二日間の予祝行事を行うのです。

これは、金沢郷を開拓した先人達が、開拓の際に伴う艱難辛苦(かんなんしんく)を堪える為に神との結び付きを強くし、農耕を司る人作りを目指したというのが始まりだったそうです。

この行事は、日本の古くからの信仰の姿を伝える貴重な行事として、国からの重要無形民俗文化財の指定を受けました。

以上が、黒沼神社に伝わる行事です。

『黒沼神社十二神楽』はともかく、『金沢 羽山ごもり』は決して華やかで開けた行事であるとは言えません。

しかし、日本の奥ゆかしい信仰形態を知るという意味ではとても貴重な文化財だと思います。

もし、何かの機会で福島県を訪れる事があるのならば、この古風であり、不思議な空気の漂う神社を訪れてみては如何でしょうか?

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