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終わりの祭り

大阪府中央区道修町、少彦神社では、一年のしめくくりに、『神農祭』という例大祭を催します。

これは、一月の十日戎(所謂えびす講。えびす様や、かまど神に五穀豊穣や、一年の安全を願う)に始まり、この『神農祭』で終わるので、『とめの祭り』と言われています。

主に十一月の二十二日、二十三日の二日間に渡って行われ、くす玉飾りや、献灯提灯が建ち、多くの出店が立ち並びます。

その賑わいや、歴史的価値から、『少彦名神社 薬祖講行事』として、大阪市無形文化に指定されたそうです。

張子の虎

神農祭で有名な『張子の虎』。

五葉笹の葉に、赤いお札と可愛らしい虎飾りなどが付いているものですが、これが神農祭のシンボルとなっています。

笹に付いた赤い札は『祈願家内安全無病息災』を願うものであり、お札の正面には次のような文面が見られます。

『文政五年の秋、疫病流行して万民大いに苦しむこれにより、道修町薬種商相議り、疫病除薬として虎頭骨等を配合し、『虎頭殺鬼雄黄圓』(ことうさっきうおうえん)という丸薬を施与すると共に張子の虎を作り、神前に祈祷を行い、病除御守として授与する。

古人、病を療するに薬を服用すると共に、また神の加護を祈る用意の周到なること誠に想うべきものなり』

当時――――文政五年に流行したコレラは、たったの三日で死に至るという事で、恐ろしい病気として恐れられ、虎と狼が伴って来るような病気、『虎狼痢』との当て字が為されました。

流行時は有効な治療法もなく、迷信紛いの治療として、虎の頭骨など、およそ十種類の和漢薬を配合した『虎頭殺鬼雄黄圓』という丸薬を百人に限って処方していたのです。

病そして気の方にも処方された丸薬の方にも『虎』の文字が入った事から、それにちなんだ病除けお守り『張子の虎』が作られるようになりました。

その名残なのか、『張子の虎』に付いている虎飾りの腹には『薬』の文字が朱印されています。
  
本来は病気平癒を願った『張子の虎』ですが、大阪府の郷土玩具としても名高く、親しまれている事が分かります。ちなみ頭がゆらゆらと揺れるそうです。

薬学、医学の神としても名高い神農、それを祭る少彦神社に、『張子の虎』――――もしかしたら貴方の病気にもこうのうがあるかも。

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